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時速5キロじゃ追いつけないよ

Skuld
学生時代にさんざん描いたので、いまでも何も見ずに描けるかと思っっていたのですが・・・実際描いてみたら意外とうろ覚えだったので、記憶を更新する意味も込めて『ああっ女神さまっ』のスクルドを描いておきます(確かに考えて見れば10年ぶりくらいに描きました)。原作は20巻くらいで買うのをやめてしまったのですが、画集を見ると、絵柄の変化もあってか、意匠がいろいろ変わってるんですね・・・いつのまにスクルドは真ん中分けじゃなくなったのだ(笑
#タイトルは・・・まあわかる人にはわかるでしょうから察して下さい(笑

電波ソングの大御所MOSAIC.WAVの「空から女の子が降ってくる街」(『Superluminal Ж AKIBA-POP』所収)は、電波ソングとしての完成度が極めて高い作品だが、同時に、いくつかの点において「ゼロ年代」もしくは「ネクスト・ディケイド」(「テン年代」はなんだか格好が悪いので、さしあたりこう呼称しておきたい)のオタク系文化の特色をかなり直截な形で反映しているというところでも興味深い楽曲である。
まず、タイトル自体が示しているように、この楽曲のテーマ自体が、さながら「風物詩」のように「空から女の子が降ってくる」というゼロ年代のコンテンツ状況を踏まえたものであるが、構造として秀逸なのは、空から降ってきているにも関わらず、わざわざ毎朝角を曲がるたびにクラッシュしたり、空から降ってきた女の子だけで新たに設置された「降ってきた女の校」(この言語センスもスゴい)に転校?したりするといったきわめてベタなラブコメのシチュエーションを、構造上の矛盾を気にせずに過剰なまでに盛り込んでいるところであろう。これは、きわめて自覚的な形で導入された「自己言及性」であり、「空から女の子が降ってくる街」が、正しくゼロ年代の「セカイ系」的コンテンツの展開の延長線上に展開された楽曲であることを確認されよう(前島賢『セカイ系とは何か』・・・なお、「自己言及性」が「高度化された近代社会」としての「後期近代」のキー概念であることは、ギデンズをはじめ多くの論者が指摘するところである(『モダニティと自己アイデンティティ』))。
#作中名指しされる最初の類型が「世界のために戦う少女」であるところは、いささかヒネリが無いくらいに順接的である・・・これと対比すると、「押しかけ女房」はいささか時代がかった、80年代的なイコンであると言えよう。
一方で、「空から女の子が降ってくる街」として、いかにも「AKIBA-POP」らしい「UDX」以外の地名に、二つのカテゴリがあることは注目されて良いように思われる・・・すなわち、かたや「埼玉・千葉・神奈川」という、典型的な東京の「郊外」が挙げられる一方で、「景色のいいとこ」として「尾道・神戸・鎌倉」が固有名を挙げて名指しされているのである。言うまでもないが、尾道や神戸や鎌倉は、ゼロ年代以前のコンテンツにおいて頻繁に用いられたロケ地であり(この点、『かみちゅ!』の舞台が尾道であることは、その製作に深く関わった倉田英之の感性との関わりからもきわめて象徴的である)、「郊外」は、宇野常寛が指摘するように、ゼロ年代の「サヴァイブ系」コンテンツが舞台に選ぶエリアであるが(『ゼロ年代の想像力』)、興味深いのは、「空から女の子が降ってくる街」における「郊外」は、(「サヴァイブ系」のコンテンツが展開される)「木更津」や「池袋」といった固有名で名指しされない、空虚な「エリア」としての「郊外」でしかないところである・・・これは、意識的かどうかはともかくとして、「サヴァイブ系」のコンテンツにおいてローカルなコミュニティにおける人間関係を前景化させる舞台装置である「固有名のある郊外」と、京アニ的な「萌え四コマ」の「終わらない日常」を支える過剰にリアルな背景のロケ地(黒瀬陽平「新しい「風景」の誕生」(『思想地図』vol.4所収))としての「固有名の無い郊外」という二重構造を、奇しくも反映しているのではなかろうか。

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Comments

>文月さん

コメント有難うございます。『true tears』は結構面白い事例ですよね。本文中で触れた二つのベクトルのどちらにも当てはまらないのですが、少し前の「日本の原風景」ブーム(とでも言うのでしょうか?)の延長線上にあるとしたら、むしろプレモダンへの回帰の方向性なのかもしれません。

Posted by: 鏡塵 | March 14, 2010 at 01:34 AM

ミステリやSF系ですと、閉鎖環境を作るために敢えて地名を強調するという手法もありますね。ひぐらしの雛見沢とか、おおかみかくしの嫦娥町とかたいていは架空ですが、ゼーガペインの舞浜のように実在の場所もあります。

それと、景色が良い所という点では、true tearsの南砺市のように、他作品の手垢が付いてない無名の町を狙うのが作品的にもビジネス的にも美味しいかと?
まあ、関西では叡電観光アニメと呼ばれているけいおん! が他地域では舞台が認知されていない事からして、最初に名前アリなのかもしれませんが。(叡電や嵐電は上手くやれば第二の江ノ電になれると思うのだけどなぁ)

Posted by: 文月文 | March 13, 2010 at 07:20 AM

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