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宮子の日焼け跡はどうやってついたのか

Yoshinoya_2
・・・どうやってもああいう形で肉球の跡がつくようには思えんのですが、いつのまにかコレが宮子を示すアイコンになっているようですね。というわけで、シリーズを重ねるごとに洗練の度合いを増す『ひだまりスケッチ☆☆☆』の吉野屋先生に、何の必然性もありませんが『Queen's Blade』のレイナの鎧を着せてみました・・・いや単に、たまたまリボルテック版のレイナをもらったもので、使わなきゃソンかなあ、と思いまして。しかし、あの世界観だから許されるデザインなのだということが改めて確認できました。このデザインはマズいですいろいろと(笑
#ちなみに、昨日勢いで『玉座を継ぐ者』のビジュアルブックを買ってしまったのは秘密です(笑

※折角だから地上波の最新話見てから、と思ったので、本文更新が遅れました。すみません。
宇野常寛は、「ゼロ年代総括座談会 アニメ編」(『ゼロ年代のすべて』所収)において新房監督+シャフト作品の評価を述べる件で、『ひだまりスケッチ』を「ストレートにオヤジ的な欲望を前面化していて、圧倒的に閉じている」とするが、これに対し黒瀬洋平は同作について「萌えアニメの純粋化に進んだ」ことの結果として「すごく形式的な実験ができていたし、そこからむしろ、いわゆるステレオタイプな萌えアニメの解体を目論むこともできたかもしれない」と擁護の論陣を張り、その対比として、『ぱにぽにだっしゅ!』の(黒板ネタに代表される)「閉じた」表現の限界に言及している。
言うまでも無く、『ひだまりスケッチ』は、美術科を舞台とするという点での特殊性はあるものの(同様の傾向は近時『GA』や『表色89X系』などにも、近時増加傾向にあるようである)、作風全体としては「空気系」とも評される所謂「萌え四コマ」に分類される作品である。この「空気系」は、「ポスト・セカイ系のオタク系文化」において、『灼眼のシャナ』などの「現代学園異能」ものや『コードギアス』などのテロリズム/ピカレスクロマン、更に『デュラララ!』などの実在の都市を舞台とした「アーバンファンタジー」といった傾向を圧する形で、際立って多いコンテンツの様式であり、前島賢はその浸透の背景に、コンテンツをめぐる情況が「物語からコミュニケーションへ」と大きくシフトしたことの影響を指摘している(『セカイ系とは何か』)。
勿論『ひだまりスケッチ』を順接的に「空気系」として、すなわち、「ひだまり荘」に集う「美少女達の終わりないコミュニケーションの物語」として、言い換えるならば、宇野の指摘するように「オヤジ的願望」にのっとる形で消費することも可能である。しかし例えば、「四コマ」という形式を敷衍する形で「1コマ目に場所を示す背景があって、2コマ目からはイメージ的な背景が続く」という表現を「アニメでも出来るんじゃないか」(新房昭之・飯島寿治「美術と背景のお話」(『ひだまりスケッチアルバム TVアニメ公式ガイドブック』所収))という企図に基づいて試みられた様々な演出には、「四コママンガ」を相対化/脱構築してきた現代日本のマンガ表現に対する、アニメの側からの誠実な応答ととることも可能であるように思われるし、更に、厳密なフォーマット(起床(『☆☆☆』の場合はラジオ体操)→入浴)と因果関係の計算を前提とした上での時系列のシャッフルは、例えばアニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』などで用いられたような原作への遡及を企図するフックとは異なり、年単位での入れ替えをも含みこむことによって、複数のシリーズを継続させながらも不可逆に流れる時間を描出することを目指しているようにも思われる。
#この点、『あずまんが大王』においては、やはり不可逆に流れる時間の描出が「閉じられた」テクストへのランダムなアクセサビリティの担保となっていたこと(伊藤剛「大阪は『ぼのぼの』やねん。」(『マンガは変わる』))とは、若干位相を異にする。
・・・とはいえ、この「批評性」だけでは、おそらく『☆☆☆』まで作られなかったであろうことは、同じ新房監督+シャフト作品である『さよなら絶望先生』のアニメがこれ以上作られないであろうことからも明らかではあるが(笑

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Comments

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コメント有難うございました。私実は『魂狩』未見なのですが、確かに、前史まで含めて考えると、違った見方が出来そうです(この間『月詠』のボックス買ったので、じっくり見直して見ます)。

ただ、『ひだまりスケッチ』に関してのみ言えば、所謂「萌えアニメ」の様式を取りながら、演出面でそれを解体する試みを組み込んでいる、というのが黒瀬さんの主張のようで、特に京アニ的な『らきすた』『けいおん』と比較すると、そこは意図的なところがあるかな、とも思うのですが。

あとは、原作では時間が不可逆に(つまり『あずまんが大王』的に)流れるので、ゆのの進路話はより重っくるしいです(笑

Posted by: 鏡塵 | March 07, 2010 at 12:12 AM

新房監督の演出論でしたら、『魂狩』の扱いはどうなっているんでしょう?
魂狩で見せた独特の画面構成や色調が今の新房監督の「色」の源流になっていると思うのですけど。
演出重視の暴走の魂狩・コゼットと一般受けを模索していたとらハ・なのは。
この二つを組み合わせた月詠にて、いわゆる「新房・シャフトの個性」が確立されたと思うのですが。
というか、新房監督の作風の変遷をリアルタイムで知っていると萌えアニメの解体所か、「ちゃんと視聴者のニーズに合わせられる萌えアニメを作れるようになったね」としか見えなかったり。

あと、黒板ネタは、古くは「すすめパイレーツ」の『落書きするな』などにも見られる漫画やゲームでは日常的に見られる手法なんですが、それを今更「閉じた表現」とする視点に吃驚というか。

それと、ひだまりは☆☆☆になってから、「ゆのの進路(と実力不足)」が強調されていて、空気系所か見ていてしんどかったり……。

Posted by: 文月文 | March 06, 2010 at 07:35 AM

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