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September 2007

Otaku from Anoter Planet

Ohnosan
・・・ただでさえバランスが取りにくいというのに(体型的に(笑))、衣装を他の作品のコスプレにしてしまったので(しかもコスプレだから髪の色とか変えられない・・・)、記号性が著しく低下してしまってだれだか判らなくなってしまっておりますが(泣)、一応、『グレンラガン』のヨーコのコスプレをしてる『げんしけん』の大野さん、ということで一つ(何がだ)。
『グレンラガン』は、2クールには本来収まらない規模のストーリーを無理やりに詰め込む、という密度がウリなのだと思うのですが、途中から感覚がマヒしてしまって、何が起こっても驚かなくなりました(笑)。いっそ爽快なまでの精神論を七五調の啖呵に乗せてたたみかける、というのは、戦略的なのだろうとは思いますが、ややあざとさを感じないでもありません。
まあ、進化論が人類の思想史上で果たした役割は相当大きかったのは確かでしょうけど(「古き良き法」が機能していた時代のヨーロッパ人は、昨日と同じ今日、今日と同じ明日が永遠に続く、と考えていたそうですし)。

この夏、シアトルに資料調査で赴いた際、街中の普通の書店(日本で言うとブックファーストみたいな感じ)に「MANGA」のコーナーがあったので覗いてみた。コーナーがあること自体はさほど意外ではなかったが、ラインナップを見てみたところ、どういうわけか『げんしけん』の7巻が平積みで(しかも一番手前に)置いてあったので、つい手にとってしまった・・・タイムリーなことに、7巻はアメリカから大野さんの友人のアンジェラとスーがやってくる話なので、英語のオタク用語表現が頻出してなかなか興味深かった(まあネットを散策すればいろいろ出てくるのだろうが)。
#他にも、なぜか『トライガン』とかが平積みに・・・まあ、一階のレジ前の一番目立つところには『カードキャプターさくら』が置いてありましたけど(笑
##タイトルに引用したのは、おそらく翻訳版で独自につけられた裏表紙の解説・・・「Can the club survive a visit from these ambassadors of otakudam without inciting an international incident?」とか書かれてます。ちょっと可笑しい(笑
特に文末に附されている訳注が、外部者から見たオタク用語の定義としてクリアカットであり、かえって日本語より判りやすいかもしれないという印象を持った。ちなみに、「腐女子」は「a female otaku who is a yaoi fan」「The kanji characters that make up the word fujoshi liteally mean "rotten woman"」、「ツンデレ」は「a type of anime/manga character」「It usually refers to a girl who starts out mean, and then suddenly turns sweet and lovey-dovey」と、結構正確に定義されている・・・ちなみに「総受け」の解説である「an emphatic term that means something like "total bottom"」は適切なのかどうか判断に苦しむ(その前に「受」は「the "bottom" of a homosexual yaoi couple」とあるが(笑))。
上記の点で、この巻で示唆的なのは第38話「こすけん(The cosplay club)」での大野さんと荻上の会話であろう。荻上の独白での「この私の恥ずかしい妄想」は「all my sick and twisted fantasies」と、「妄」の部分を強調した訳になっており、我々が日常このコトバを用いる際に、おそらく無意識に被せている意味のグラデーションはかなり直裁に剥ぎ取られている。ところが、これを大野さんが引き取って「それがどんな妄想か知りたいし」と述べる際には「these fantasies of yours」となり、「想」の部分に意味が拡散する(無論、先の文脈を踏まえているためではあるが)。「妄想」と「fantasies」が対応するコトバでありながら、微妙にニュアンスが使い分けられているということになる(無論これは、我々が日本語で「ファンタジー」と発話する際とも大きく含意を異にすることは言うまでもない)。翻訳の際、この種の困難は常に付きまとうが、そこでこそ言語の所与のありかたが再検証されるということにもなろう(『翻訳と日本の近代』)
・・・ちなみに大野さんの「激しく萌えちゃいましたし!」は「That totally caught my attention!」と訳されている。おそらく、ここにメタゲーム的な「萌え」は含意されていないだろう(笑

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斧を手にして法廷へ

Julva
・・・いや別にネタではなく(タイミングはネタですが(笑))、副題に「中世アイスランドの紛争解決手段」とつく、きちんとした論文のタイトルです(『紛争と訴訟の文化史』所収)。絵柄は、『ヴァイキングっ娘猛将伝ユルヴァちゃん』・・・いや違った『ヴィンランド・サガ』からユルヴァ。マンガとして非常に良質ですし、なによりさまざまなコトを考えさせられます。第4巻の帯はちと狙いすぎという感がありますけど(笑
#カラー指定がわからなかったので適当に塗ってしまいました。しかしなぜピンク髪・・・『どくそせん』を読んでいたからいけなかったか(笑

近時京都で発生した、警察関係者が16歳の次女に斧で殺害された事件を受けて、深夜枠のアニメがえらいことになってしまっているようである。今期放映されているもののなかでマズいものはかなりあるように思われるが、とりわけ『ひぐらしのなく頃に解』は、事件との関連性が問題視されることはある程度予想の範疇に含まれていたと言えるだろう(『罪滅し編』でのレナの凶器は確か斧だったし)。この種の事件が起こるたびに、加害者が触れている可能性のあったアニメやゲームとの因果関係が取り沙汰され、それを受けてマスコミがかなり過剰に「自粛」を行う、という行動様式はもはや定型化されているので、巷間の話題はもっぱら、地上波未放映分を収録したDVDの宣伝効果がいかほどか、というような点にあるようである。ある意味、冷静な対応だと言えるだろう。
#私個人としては、『ひぐらし解』はDVDを購入してまで見たいわけではないけれども、第一シリーズよりもはるかに作画が安定していたので、やや残念ではある。
##なお、このブログでも、過去にいくつか『ひぐらし』の原作・アニメについて言及した(これとかこれとかこれとか)
###・・・やはりかないみかか(何が(笑))。
今期地上波で放映していたアニメの中で、どの作品が最も流血シーンが多かったか、ということについては、積算基準の違いもあるので一概には言えないが、いささか興味深い事例と思われる作品は『撲殺天使ドクロちゃん』であろう(『ClubGeneon』と『アニメTV』で放映)。というのは、この作品については、先に言及した『コンテンツの思想』のなかで、斉藤環が「キャラクター/キャラ」の概念について検討する上で示唆的な作品、として例示しているからである。何度エスカリボルグで撲殺されても連続性を保ち続ける『ドクロちゃん』の主人公に現代性(細胞レベルまで分解されても再生が可能、という「キャラ」というレベルの仮構)を見出すことが可能であるとすれば、斧による父親殺し、という、ある意味極めて多層的に表象性を帯びた今回の事件は、おそらくいかようにでも解釈可能な「記号」と化すことになろう。
#つーか「ラカン萌え」で全てオチをつけるのはいかがなものかと(笑

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「今日のあたしはすっちぃだもの(はあと)」

Yuu
・・・あ、今はこの略称使えないんだった(こんなところにも時代の流れを感じますな)。

なにやらひどく忙しかったので(通常業務はお休みのはずなのですが・・・因果な商売です)、一月以上更新が滞ってしまいました。すみません。というわけで、ストーリーもいよいよ終盤に差し掛かってきた感のある『ジオブリーダーズ』から、運転手の姫萩夕。異様に入り組んだ話の上、かなり前に張ってあった伏線を律儀に回収するものだから、新刊が出るたびに前の巻をひっくり返して読み返してしまいます。しかし、佳境に入った分だけ話が緊迫するので、ユルいシーンが見られなくなってちと残念ではあります(まやが延々カルボナーラ作る話とか(笑))。姫萩さんは「ダイナマイトが百五十屯」の「牛丼の柾!」の件が好きです。
#私の力量では、姫萩さんの、畳の目の跡がつく感じの質感を表現することは出来ないのですが(わかるヒトだけ分かってください(笑))。
##ああ、読み返してるうちにOVAを揃えたくなってしまった・・・今そろえるの難しいのかな。

私は家族と同居している関係上、1シーズンに一つくらい、なんとなくドラマを見る機会がある。とはいえ、家族が熱心に見るものは家族が録画するのでライブでは見ないし、逆に自分が見たいもの(今期は『スシ王子』を途中まで見たのだけど・・・)は自分で録画してしまうので、実際に見ているのは、帰宅する時間帯にたまたま点いている、という程度のものなのだが。
で、今期はたまたま、『山おんな壁おんな』がその周期に当たっているので、深田恭子の(もしかしたら狙ってやっている)大根っぷりを愉しみに見ている。このドラマは、タイトルが露骨に示すとおり、ヒロイン二人の乳脂肪分の多寡(笑)をテーマとしているのだが、実際に見てみると、さすがにこれだけでドラマを駆動することは出来ないようで、あくまでこのテーマはスパイスとして、折々にエピソードとして挟まれるに留まっている(原作コミックスは読んでいないのでわからないが)。おそらくこれが、通常のドラマトゥルギーの構築の作法なのであろう。
とするならば、このテーマだけで軽々と物語を一つ綴ることの出来るライトノベルやギャルゲーというジャンルは(かつて『とらドラ!』について若干述べたが)、やはり、既存のドラマトゥルギーのあり方には収まらない別のなにものか、なのであろう。記号に物語を充填するのは、もはや作者ではなく読者の仕事である・・・作者の仕事は、いかに物語を充填するに値する固有名(キャラ)を創造するか、という点にシフトしているということになるだろうか。
#例えば、『らき☆すた』のみゆきさんよりも、姫萩さんの方が「キャラが立って」いる、ということをどう考えるか、というようなことだろう・・・単なる好みの問題という気もするが(笑

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