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ブルマーと吸血鬼

bloomergirls1
こういうキャッチー(死語)なタイトルは大抵西川魯介が出典です・・・アヤしげな記憶に頼りつつ、これは『エルマーのぼうけん』シリーズのうちの一冊かなあ、と漠然と思っていたのですが(このシリーズでは『エルマーとりゅう』が印象に残ってます。なんかドラゴンが横縞でやたらポップだった(笑))、今ぐぐってみたらそんな巻はありませんでした(笑)。元ネタ何だろ?
先日、本屋の社会学のあたりをぶらぶらしていたら、高橋一郎他『ブルマーの社会史 女子体育へのまなざし』(青弓社)なる本を見つけたので、購入してざっと目を通してみた。基本的にはフェミニズム論・ジェンダー論の視点から、およそ100年に亘る近代日本のブルマーの歴史を多角的に分析するものだが、この手のテーマの本がいたずらに攻撃的な論調になりやすいのにも関わらず、序文でこのタイトルに対する「いかがわしく気恥ずかしい」という自認の弁があったのが好印象であった。内容も比較的価値中立的で、教えられるところが多かったが、興味深かったのは、大正期にブルマーが帯びることになった「脱女性性」のベクトルが、当時の女学生向けの雑誌において、「運動選手への同性愛的まなざし」へと連続していくという文脈である。確かに、ジェンダー論の前提である<近代>の担い手としての男性に特権的に認められていた「運動」の価値(おそらくヘーゲル的な「労働」概念のパラフレーズであろう)が、ブルマーを通じて女性に付与されることにより、そこには擬似的にヘテロセクシュアルな関係が構築される可能性が現出する。しかし、かつてこのブログでも取り上げた「エス」の系譜は、そもそもがヘテロセクシュアルな関係性のみを前提しない、あるいはむしろそれを嫌忌さえする概念ではなかったか?
#ちなみにイラストは、『女学雑誌』第24巻第11号(1924年)に掲載された「庭球選手とのローマンス閃く応援旗の波」と題する読者からの投稿小説の挿絵をそれっぽくアレンジしました(さすがに原典にあたる労力を使う気にはなれなかったので、元絵がカラーかどうかもわかりません・・・昔の職場だったらわりと気軽に確認できたのですが(泣))。
ところで、仕事に使う本は職場に持って行ってしまうため、今私の自宅の本棚のラインナップは、コミックス以外はなんだか妙なものばかりになってしまっている。試みに並べてみれば、『夜想 特集<ゴス>』、ブラム・ダイクストラ『倒錯の偶像』、堀田純司『萌え萌えジャパン』、ササキバラ・ゴウ『<美少女>の現代史』、『Call of Cthulhu』ルールブック(何故(笑))、そしてアレクサンドル・コジェーヴ『ヘーゲル読解入門』(←これは借り物ですが)。少なくとも一つ言えるのは、突然誰かに踏み込まれるような状況にだけは陥らないようにしよう、と強く自戒すべきだ、ということであろうか(笑)。

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